自己性愛とは何か?

あまり耳慣れない言葉ですが、「オートエロティズム」(autoerotism)という言葉をご存知でしょうか? これは日本語で「自己性愛」と訳され、自分自身の肉体を性的対象とする特殊な性欲を指します。一般的には同性愛や幼児性愛などと同じく、性的倒錯の一つとされています。

ここでこんな話を持ち出したのは、管理人自身がその傾向を強く持っているからです。これまで自己性愛について詳しく語られることがほとんどなかったので、そういう性向が存在するということ自体知らない方も多いと思います。自分の体に興奮するなんて全く理解できないという方も少なくないでしょう。しかし、だからこそ自己性愛についてもっと知ってもらいたいと思い、当事者の立場から客観的に分析してみました。今まで自己性愛に関する記述をほとんど見たことがないので貴重な研究だと自負しています。

自己性愛の定義

「世界大百科事典 第2版」によりますと、オートエロティズムとは次のように定義されています。

外的対象を欠いた性愛のこと。自己性愛と訳される。人間の性本能は壊れているため,その性愛はもともと自然な対象(異性の身体)から切り離されており,またそれは自他の区別が成立し,他者を発見する以前から存在するから,小児性愛は不可避的に自己性愛なのである。のちに外的対象に向けられうるとしても,それは二次的でしかなく,人間の性愛はつねに自己性愛の要素をとどめており,それが基盤となっている。幼児性欲【岸田 秀】

要するに自己性愛とは、自分と他者の区別が成立する以前の小児期において自然発生的に起こるもので、それは自体愛であるとも言い換えられます。たとえば幼児が自分の指をくわえたり、性器をいじったりするのも自体愛の表れと言えます。それ自体に性的な意味は全くなく、原始的な快感を得るための手段として行われます。ですから小児期において自己性愛は誰もが通る道であり、それ自体は全く特別なものではありません。自己性愛は人間の性愛の根源的なものであり、基盤として一生存在し続けますが、発達の過程において他者の存在を発見し、性愛の対象が自分から他者(多くは異性)に移るにつれて自己性愛は自然と潜在化していくものです。しかし、何らかの理由で自己性愛が思春期以降も顕在化した状態、それが狭い意味での自己性愛と定義されます。つまり、ここで扱うのは小児期ではなく思春期以降もなお存在し続ける自己性愛のことです。それは多くの場合、マスターベーション(自慰)に発展し、性的な意味を持つようになります。管理人自身もまさにこの状態なのです。

自己性愛の特徴

自己性愛とは文字通り自分の体に興奮するという性的指向のことです。以下はあくまでも管理人の場合ですが、多くの自己性愛者にもあてはまる特徴ではないかと思っています。

全裸でオナニーをする

これはかなり高い確率でそうだと思います。何しろ自分の体が性的興奮の対象ですから、全裸になることで視覚的な興奮が得られるだけでなく、体に直接触れて性感を得ることもできます。自己性愛者の最も普遍的な特徴でしょう。

鏡を見ながらオナニーをする

これもよくあることで、自分の裸を客観的に眺めることによりさらに興奮度が増します。自分の淫らな姿を外から見つめることにより変態的な興奮を得ているのです。

オナニーのネタを使わない

通常、オナニーする時はエロ本やエロ動画などのネタを使って興奮を高めるのが一般的ですが、自分はそういうネタをほとんど使いませんでした。なぜなら自分の裸が最高に興奮するネタだからです。中高生の頃はオナニーをしようと思って裸になっただけで瞬時に勃起しました。自分の裸を見ながらペニスをしごいているだけで即射精。全くネタいらず。ある意味、究極のエコだったのかもしれません(笑)。

自分のペニスが好き

これも高い確率で当てはまるでしょう。大きさや形はいろいろあれど、とにかく自分のペニスが大好きというのが一つの共通項です。愛していると言っていいかもしれません。もちろん自分のペニスを見て興奮することは言うまでもありません。中高生の頃、自分のペニスは本当に親指の先ほどしかなく、あまりのみすぼらしさにコンプレックスの塊でした。ところが勃起率が凄くて勃起すると一気に3~4倍にも大きくなったのです。当時は真性包茎だったのですが、亀頭の段差もくっきり見えていました。普段の姿からは想像もできないほど逞しく立派になったペニスは本当にかっこいいと思いました。それを見てはさらに興奮し、ますます勃起するという正のフィードバック(笑)。もう自分のペニスだけで十分なので、ネタは全くいらない状態でした。

自分の裸で夢精

最近は夢精を経験する人が少ないので想像できないかもしれませんが、夢精は通常、好きな女の子の裸などが夢に出てきて無意識に射精してしまうものです。しかし管理人の場合はそういう夢はあまり見たことがなく、たいていの場合、自分の裸が夢に出てきて射精しました(笑)。夢というものはその人の潜在的な願望が表れていると考えられますから、これなどは完全に自己性愛の傾向を表していると思いますね。

自分の裸を撮る

これはもう自己性愛者には間違いなくある行動だと思いますね。鏡の代わりに自分の裸の写真を見てオナニーするわけです。とは言っても管理人が中高生の頃はデジカメもスマホもなかったので、写真を撮りたいと思ってもできませんでした。ようやくできるようになったのは30歳も過ぎてからのことです。今の若い子たちは間違いなくやっていると思っていいでしょう。

自分の射精動画を撮る

写真より一歩進んで、自分が射精する様子を動画に撮るという行為も普通にあるでしょう。これも自分が若いときにはできませんでしたが、今はスマホでいとも簡単に動画を撮れるようになりました。むしろやらない方が不思議と言えるくらいです。動画で自分の射精を観察するのはまるで他人を見ているような不思議な感覚があります。普段射精している時にはなかなか気付けない会陰や尿道の収縮も見られて非常に興奮します。くだらないエロ動画よりよっぽどいいです(笑)。

自分の精液を飲む

これはかなりハードルの高い行為なので全ての人がするわけではないでしょうけど、ここまで行けば間違いなく自己性愛者だと思っていいでしょう。なぜなら自分の精液を飲むということはよほど自分が好きでなければできないからです。

ナルシシズムとの違い

ここまでの話を聞くと、いわゆるナルシシズム(自己陶酔)と同じじゃないかと思われる方がいるかもしれません。確かに似ている部分はあります。しかし決定的に違うのは、ナルシシズムは必ずしも性的な意味ではないということです。たとえば自分の容姿に惚れてうっとりすることなどが代表的な特性とされていますが、それ以外に自信過剰、常に称賛を求める、独善的、人の意見を聞かない、他者に共感できない、他者を支配したがるなどの性格的な特徴も含まれます。これが極端になると「自己愛性パーソナリティ障害」と呼ばれる病的な状態になります。

一方、自己性愛の場合は容姿的あるいは性格的な意味ではなく純粋に性的な意味で自分の肉体に興奮することを言います。それは異性の裸を見て興奮するのと同じように、性的対象が自分自身の体になっただけのことです。自分の体にエロスを感じるという意味で、文字通りオートエロティズムなのです。ですから必ずしも自分の容姿に自信があるというわけではなく、むしろコンプレックスを持っている場合も少なくありません。管理人も自分の顔は嫌いですが、体とペニスは好きです。顔ではなく、自分の肉体だけが性的興奮の対象であるのが自己性愛の特徴と言えるでしょう。わかっていただけるでしょうか?

自己性愛は女性に多い?

一般的に自己性愛の傾向がある人は男性より女性に圧倒的に多いと言われています。たとえばSNSにやたらと自分の顔をアップしたがる人もその一つでしょう。自分の裸をブログなどに公開している人も女性が圧倒的に多いです。若いときの記念にセルフヌードを撮影する人もいますね。要するに「自分大好き人間」なんですが、女性の場合は男性ほど性欲が強くないために興奮するというよりは「可愛い」「キレイ」などの感情で眺めているのだと思います。そして他者に「共感」を求めているのです。

一方、男性の場合は割合としては比較的低いものの、性欲が強烈であることが特徴です。非常にストレートに言えば、自分の裸を見て勃起するということです。そして必ずオナニーのネタとして射精に結びつきます。自分の裸を性欲発散の手段として使っているわけで、自分が興奮しさえすれば他者の共感は必ずしも必要ではありません。そこが女性とは違うところだと思います。

なぜ自己性愛になるのか?

通常は成長とともに自然と潜在化する自己性愛ですが、それが大人になっても表立って残っているのはどういう原因によるのでしょうか? 管理人の推測によると、多くの場合、少年期~思春期において他者との触れ合い(特に異性)が少なく、孤独がちだった人に多いと見ています。つまり他者との触れ合いが少ないからこそ必然的に自分に関心が向かうわけです。そして思春期になって第二次性徴を迎えると自分の体の変化に気付き、自ずから自分の肉体への興味が高まります。そのまま愛すべき他者に出会うことなく思春期を過ごしてしまうと自己性愛的な傾向が強く残るのだろうと考えています。管理人もやはりそうでした。人の性格というものは少年期~思春期にほぼ決定されてしまうものですから、この性向は一生変わらないものだと思います。

自己性愛はどのくらい存在する?

では自己性愛の人は世の中にどのくらいいるのでしょうか? これは管理人の非常に大ざっぱな推測ですが、おそらく全人口の5%程度いるのではないかという感触を持っています。これは同性愛者の割合ともほぼ同じ程度です。そう思った根拠は、これまでブログなどで交流した経験から、同じような性癖を持つ人は少なからずいるということを知っているからです。そんなに珍しいことではありません。たとえばブログに自分の裸を載せているような人は間違いなく自己性愛者です。そのような方々と交流した結果、やはり自分と同じ性向を持っていることを認識しました。

自己性愛の一般的傾向を探る

最初に述べた自己性愛の特徴を裏付けるため、過去に実施した「男性の射精と性行動に関する調査結果」のアンケート結果をもとに一般的な傾向を分析してみたいと思います。

全体の傾向

まず比較対象としてアンケート全員を対象とした結果をもう一度載せておきましょう。

オナニーのネタ


これは性的興奮の対象を知る上で重要な手がかりになります。ここでは「自分の裸やペニス」と答えた人を自己性愛者と捉えています。複数回答可であることに注意して下さい。全体の割合としてはそんなに多くないことがわかるでしょう。

オナニー中の格好

自分の精液を飲んだことがあるか?


ここで「とんでもない」以外は飲んでみたいと思っているわけですから、これを「飲精意向」と定義することにします。また「何度か飲んだことがある」「今も時々飲んでいる」「一度だけ飲んでみたことがあるが二度としたくない」「いつも飲んでいる」を足したものが実際に飲精を経験したということですから、これを「飲精経験率」と定義することにします。全体調査では飲精意向は77%、飲精経験率は26.9%でした。

【関連記事】自分の精液を飲む

自分の射精を動画に撮ったことがあるか?

自分の射精動画を撮った場合、何に興奮するか?

自分のペニスが好きかどうか?

同性とのセックス意向


この中で「あり得ない」以外は少なくとも興味があるということですから同性とのセックスに肯定的と考えられます。全体調査では41.7%が肯定的という結果が出ました。また「経験済み」は12%となっています。

【関連記事】男同士のセックス

自己性愛者の一般的傾向

以下はオナニーのネタで「自分の裸やペニス」に興奮すると答えた人に絞って集計した結果です。これは概ね自己性愛者の性向と一致すると考えられます。

自己性愛者は全裸オナニーが好き


オナニー中の格好は全体調査では「全裸」は少数派でしたが、自己性愛者の中ではトップに躍り出ました。これは予想通りの結果で、自己性愛者は自分の体に興奮するため全裸でオナニーすることを好むことがはっきり裏付けられました。

自己性愛者は自分の精液を飲むことに抵抗が少ない


自己性愛者の中では飲精意向が83.3%、飲精経験率が36.1%となり、全体調査より有意に高い結果が出ました。やはり予想した通り、自己性愛者は自分の精液を飲んでみたい、または飲んだことがある人が通常より多いということが裏付けられました。これは自己愛の表れと考えられますが、8割以上の人が飲んでみたいと思っているにもかかわらず、実際に飲んだことがある人は約3分の1にとどまり、飲精のハードルの高さを物語っています。

自己性愛者は自分の射精動画を撮っている


実に7割もの人が自分の射精動画を撮っていることがわかります。これは全体調査から見るとはるかに高い割合です。

自己性愛者は自分のペニスに興奮する


全体調査とは違って自分の勃起したペニスと答えた人が一位になりました。射精の瞬間に興奮するのは当然として、やはり自分のペニスに興奮するのが自己性愛者ならではの特徴のようです。

自己性愛者は自分のペニスに愛着を持っている


これも予想通りの結果ですが、自己性愛者は自分のペニスに肯定的な割合が高いことがわかります。全体調査では否定的な割合の方が高かったので明らかに異なる傾向が出ています。

自己性愛者は同性とのセックスに肯定的


「あり得ない」を除いたものが同性とのセックスに興味ありということですから、これは58.3%となり、半数以上の人が肯定的であることがわかります。全体調査では4割程度でしたから、やはり明らかな違いが出ています。一方で「経験済み」は13.9%にとどまっています。願望はあってもなかなかセックスにまでは踏み込めないということでしょうか?

同性愛との比較

オナニーのネタ調査で「男のオナニー動画」と答えた人は同性愛的な傾向が強いと考えられます。このグループに絞って集計した結果を分析することにより、自己性愛と同性愛の相関性について探ってみました。

オナニー中の格好


自己性愛と同じく、全裸派が最も多い結果になりました。

自分の精液を飲んだことがあるか?


飲精意向は89.3%、飲精経験率は37.6%にも達しました。これは自己性愛者よりも高い割合で、やはり同性愛者は精液に対するこだわりが非常に強いことがうかがえます

自分の射精を動画に撮ったことがあるか?


7割以上の人が撮ったことがあると答えました。やはり自己性愛と同じく自分の射精にも興奮するようです。

自分の射精動画を撮った場合、何に興奮するか?


これは全体調査とあまり変わらない結果になりました。自分の勃起したペニスと答えた人は2位で、自己性愛者より少なくなっています。やはり自分のペニスにはそれほど愛着がないようです。

同性とのセックス意向


これは当然とも言えますが、実に83.9%もの人が興味ありということです。しかも既に経験済みの人が39.3%も含まれます。自己性愛者よりはるかに高い割合でセックス願望が強いことがうかがえます。

自己性愛と同性愛はある程度重なっている

以上の分析により、自己性愛の一般的な傾向について管理人がおおよそ想像していたものと同じであることが裏付けられました。また同性愛と比較することにより、自己性愛は同性愛と傾向が共通しており、ある程度重なっていることがうかがえます。複数回答可ということですから、当然ながら同じ人が回答したケースもあるでしょう。ですから同じ人の中で自己性愛と同性愛が共存していることも珍しくないのです。

この理由について考えますと、自己性愛は男性である自分の体に性的興奮を覚えるわけですから、同じ肉体を持った他者にも興味が行くということは自然な流れに思えます。だから自己性愛と同性愛はある程度同時発生的に結びついているのでしょう。ただ男性なら誰でも良いかというとそうではありません。管理人のケースから言うと、自分と似たような体型の人だけが性的対象になるのです。極端に異なる体型では全く性的対象になりません。つまり自分にとって親近感のある他者の中に自分を見つけようとしているのが真実だと思います。

自分の精液を飲むのは究極の自己愛

アンケートの中で自分の精液を飲んだことがあるかという極めてマニアックな設問を入れましたが、これは自己性愛者の場合、自分の精液に対するこだわりが非常に強いことがわかっているからです。自己性愛者は自分のペニスに強い愛情を持っていますが、自分の体内で生産され大好きなペニスを通って放出される精液にも強い愛着を持っています。それを自分の口から再び体内に入れたいと願うのは自然な欲求なのです。それこそが究極の自己愛と言えるでしょう。

ただ自分の精液を飲むということは願望はあっても実行するのはたやすいことではありません。男性特有の賢者タイムが邪魔をして簡単にはできないようになっているのです。精液を飲んでも別に美味しいわけではありませんが、自分の精液を体内に取り込んだという精神的な満足感を得ることができます。ここまで到達できるのはよほど自己肯定感の強い人に限られます。この難関を乗り越えた者だけが味わえる境地なのです(笑)。

自己性愛は異常ではない

初めに述べたように自己性愛は性的倒錯の一種と考えられています。自分の体に興奮するなんて普通の人から見ると全く理解できない性癖だと思いますが、それは別に珍しいことではなく一定の割合で存在しています。もともと人間の性本能は本来の生殖という目的からは切り離されており、言ってみれば「壊れて」いるのです。ですから何が正常で何が異常ということはありません。性的指向は十人十色であり、さまざまな形態があって当たり前なのです。たとえば同性愛、幼児性愛、老人性愛、マゾヒズム、糞尿性愛なども性的倒錯の一種とされていますが、一般の人から見ると理解しがたいような趣味であっても愛好する人は必ずいます。それは別に異常なことではないし、否定することもできません。自己性愛も全く一緒で、多様な性の形態の一つに過ぎません。

自己性愛というのは小児期から誰もが持っているもので、成人してからも人間の性愛の基盤として残っています。自分を愛することができなければ他者を愛することはできません。本来、自己愛とは素晴らしいものです。ただ自己性愛者であっても本当に自分しか愛せないという人は極めて稀だと思います。多くは他の同性、あるいは異性にも対象が広がっていくのが普通です。それこそが健全な状態と言えるでしょう。

時として性欲が暴走すると犯罪に結びつくこともありますが、幸い自己性愛は自分の中で完結しているので誰にも迷惑をかけることがありません。自己性愛は極めて健全な趣味なので、もっと自信を持っていいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。